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伊勢谷友介=リバース・プロジェクト代表とMNM赤塚がムネアツ対談!@「COACH × REBIRTH PROJECT」(後編:MNM集合!編)

写真:恩田陽 / Photos:Akira Onda

現在、6月24日(日)まで、表参道のスパイラルガーデンで、「コーチ・ジャパン」と、伊勢谷友介氏が代表を務める「リバース・プロジェクト」とのエクスクルーシブなコラボレーション「COACH PARTNERS WITH REBIRTH PROJECT FOR 2012 / COACH × REBIRTH PROJECT – reimagine. reinvent. renew.」(記事既出: https://archive.mensnonno.jp/news/?p=9678 )が催されている。開催趣旨は、“サスティナビリティと社会において責任ある行動をとる”という企業精神に基づいて、東日本大震災の復興祈願と、地球をより良い環境で未来に託すというサスティナビリティへの賛同を広く訴えかけていくというもの。そして今回、MNM(メンズノンノ・モデル)の赤塚弘卓(20)と、男性モデルの大先輩でもある、リバース・プロジェクト代表の伊勢谷友介氏とのムネアツ対談が実現!

「リバース・プロジェクト」にはもともと興味があったという赤塚だが、大丈夫か!?

そして、招待客が集うパーティのなか、対談は後編へ……。

前編のつづき

赤塚弘卓:伊勢谷さんはいつ頃から今みたいな考え方になったんですか?僕はそろそろ就職のことも考えなきゃならない時期で。自分の生き方に誇りを持っている人は本当に羨ましいです。

伊勢谷友介:子供の頃からこんなこと考えてるはずもなくって(笑)。小学生の頃にイメージしていた将来像は、終身雇用の一般企業に勤めて子供も2人いるみたいな感じだったよ。芸術という方向に進んだのは母親の影響が大きいかな。もともと絵を描くのが好きだったんだけど、将来の道の1つとして、自己表現する方向性もあるんだよということを、母親が教えてくれた。

赤塚弘卓:ステキなお母さんですね。影響を受けた漫画とかはありましたか?

伊勢谷友介:「アキラ」(作画:大友克洋)かな。高校時代に読んでその世界観に本気で影響されたよ。人類のエゴが渦巻いていて、しかも地球環境もイッパイイッパイでいろんな意味で限界という「アキラ」に描かれた近未来の舞台は、心の底から腑に落ちた。

赤塚弘卓:僕も読んでみます。

伊勢谷友介:読んでないの?読もうよ、読まなきゃ。6巻まであるよ。あと、自分で買わなきゃダメだよ(笑)。

赤塚弘卓:最後はハッピーエンドなんですか?

伊勢谷友介:先に結末を聞いちゃダメ(笑)。

赤塚弘卓:すみません(焦)。

伊勢谷友介:前情報や先入観一切無しに過去の名作を見るなんて、今の時代には滅多にないことだし、とっても貴重な体験になるんだから。あれ?就職の話だったよね(笑)。

赤塚弘卓:すみません(笑)。社会人としていろんな肩書きをお持ちですが、どの自分が、“最も伊勢谷友介らしい”と思われますか?

伊勢谷友介:ひとつの想いがあったとして、ひとつの視座があったとして、それをいろんなカタチで表現できたらいいなと思っている。とにかく、1人の人生における1番大きなアクションが、“仕事”というものであって、その仕事の持っている力で社会へ働きかけることが大事。その個人の力が集まったら、一大勢力にもなる。

赤塚弘卓:僕も職種を考えるとき、傍観者ではなくて当事者になりたい、とは漠然とですが思っています。

伊勢谷友介:もし、自分が表現する方向に進みたいと思うなら、常に社会における自分というものを意識しないと、何も世界は変わらない。理解が無いとか協力を得られないとか、いろいろ困難な制限があるのは当然で、それを乗り越えて社会に影響を与えることが出来て初めて、クリエイティブと胸を張って言えるんだと思う。

赤塚弘卓:あ、今までクリエイティブって言葉を甘く考えてました(焦)。

伊勢谷友介:ごめんね。あと、これはどんな職種についても言えることだけど、既存の方法論以外に、「こうした方がいいんじゃないか?」と思ったことは、ただ文句を言っていても何も世界は変わらない。自分が正しいと思ったならば、どうやってその問題点をさらけ出して、どうやったらそれを解決できるのか、そしてどうやったら皆により良い方向を提案することができるのか、そのルートを導き出して示すべきだとは思うよ。

赤塚弘卓:はい。

伊勢谷友介:ギャンブルみたいに大きなことをしでかして社会を変えるとかは全く別の話であって、まずは自分が出来ることから始めるってことが物事の道理なわけ。目標までの大きな階段があって、自分の意思で仲間が集まり企業の中の人と繋がって、その前に小さい階段が作られていくようなイメージ。

赤塚弘卓:小さい階段……伊勢谷さんみたいな影響力のある人が言うからこそ響きます。藝大時大からアートというものを使ってというか、アートを媒介にして、社会を変えたいとか思っていたんですか?

伊勢谷友介:いや、藝大時代はまだまだ「アートはアート」止まりだったよ。でも今は、「人とは、そしてアートの役割とは」というところまで考え方が変わってきている。人は自分のエゴで生きているわけではないし、実際は自分以外を中心に世の中は回っていて、もしかすると今は見知らぬ他人の為に俺は作品を創っているのかもしれない。他人の手を渡っていくような作品だと、受け取った人が得た感動や影響だったりは、回り回っていつか必ず自分に還ってくるから。

赤塚弘卓:今日着ている服も、伊勢谷さんのデザインですか?カッコイイです!

伊勢谷友介:「リバース・プロジェクト」と「パイドパイパー」のコラボブランド「PPRP」(編集部注:「PIED PIPER REBIRTH PROJECT」 × 「備州・木玉毛織」の商品だよ。オーガニックコットン100%のセットアップで、インナーはトーラス ノットの原型でもあるニューリサイクルマークのプリントTシャツ。「パイドパイパー」を知ってる?

赤塚弘卓:裏原時代の伝説のブランドですよね。でも、「PPRP」のサイトで初めて知りました。

伊勢谷友介:俺らが赤塚君の年代の頃は、まだアパレル企業が作るDCブランド(編集部注:デザイナーズ&キャラクターズブランド)ばっかりで、仲間たちで立ち上げるオリジナルブランドという概念は無かった。その先駆けとなったカリスマだよね。今はそういうオリジナルブランドは簡単に作れる時代だし、みんなが表現者になれる時代だけど。

赤塚弘卓:そういう意味ではツイッターもそうですよね。伊勢谷さんのつぶやきは140字びっしりで密度が濃いです(笑)。

伊勢谷友介:ツイッターって非常に興味深い。自由と責任、そして個人と集団の影響力についてこれほどリアルに学べるツールは他にないと思う。個人・伊勢谷友介として価値ある発言をつぶやいた際は、フォロワーもちゃんとついてくるし、「リバース・プロジェクト」の意思も伝播するんだなと。たまに匿名アカウントからdisられる(編集部注:悪態をつく/悪口を言われる)とヘコむけど(笑)。

赤塚弘卓:伊勢谷さんもヘコむことあるんですか(笑)?

伊勢谷友介:ヘコむよ(笑)。無視するけど。でもやっぱり、そういう悪意のある発言は言葉としては無価値だから、流されるだけで結局残らないんだよね。他人に影響を促したつぶやきは必ず残る。

赤塚弘卓:あの、ぶっちゃけ何歳くらいまで生きたいですか?

伊勢谷友介:太く長く生きて、人類と地球の将来を見届けたいかな。細く長くなんてとんでもない。そんな謙遜いらない。だったら地球のためには、細く短くのほうがいいに決まってるから(笑)。

赤塚弘卓:最後に、メンズノンノ読者に向けてメッセージをお願いします!

伊勢谷友介:カッコイイだけで人の気持ちはそうそう変わらないし、カッコイイだけでは世界も変わらない。もちろん調子に乗って楽しむ時期があってもいいけど、カッコイイの先にある価値を見つけて、その階段を提案していけるような男になって欲しい。そこに辿り着くまでの道のりはキミだけの個性になるから。

赤塚弘卓:はい!

伊勢谷友介:良いことは良いし、悪いことは悪い。単純なこと。そして、みんなと同じことをやることは別に悪いことではないし、誰もやってないことをやることが必ずしも良いことであるとは限らない。だけど、誰もが気付いていて目をそらしていたような不都合な事象を、もしキミが結果的に選択してクリアしたならば、世の中は確実に変わる。たとえその変化は小さいものであっても、キミが決断した行ないは、人類と地球にとって価値があることなんだ。

赤塚弘卓:ありがとうございました!

COACH PARTNERS WITH REBIRTH PROJECT FOR 2012
イベント名:「COACH × REBIRTH PROJECT – reimagine. reinvent. renew.」/場所:スパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23)/期間: 2012 年6月20日(水)~6月24日(日)/※展示作品はホームページを通して東北復興に役立つ寄贈先を募集する予定/問い合せ先:コーチ・カスタマーサービス・ジャパン(TEL:0120-556-750)
http://japan.coach.com/cji/rebirth/
PROFILE:伊勢谷友介(いせやゆうすけ)
リバース・プロジェクト代表。1976年5月29日生まれ。東京都目黒区出身。日本大学豊山高等学校を経て東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、同大学院美術研究科修士課程修了
http://www.rebirth-project.jp/

写真:恩田陽 / Photos:Akira Onda
Interview & Text by Takafumi Hojoh

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