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アカデミー衣装デザイン賞『グランド・ブダペスト・ホテル』と「フェンディ」の関係

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2月22日に発表された第87回アカデミー賞授賞式で、一番の栄誉に浴した作品といえば、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の主要4部門を制覇した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(原題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)/日本未公開)であることは間違いない。

だが、ファッション好きならば今回のアカデミー賞では別の作品に注目したはず。

その映画とは、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞の“アート系”4部門を受賞した、ウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』(原題:The Grand Budapest Hotel)だ。

このうち衣装デザイン賞は、『グランド・ブダペスト・ホテル』を代表して、過去に数度の受賞歴(アカデミー賞、英国アカデミー賞)を持つイタリア出身の衣裳デザイナー、ミレーナ・カノネロ(1946年1月1日生まれ)に贈られた。

 

そして、ミレーナがイメージする映画の世界観を具現化すべく陰の立役者となったブランドが、イタリア・ローマ発祥のラグジュアリーブランド「フェンディ」(FENDI)。

 

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ティルダ・スウィントン演じる「マダム」が着用した、イタリア製シルクとブラックミンクのケープ。エドワード・ノートン演じる「ヘンケル警部」が着用した、グレーのアストラカンファーを用いたオーバーサイズのミリタリー調コート。それぞれが、歴史あるフェンディのファー工房で作られたもの。

また、上記の主要キャスト2名のほか、女性キャストが身に着けるすべてのケープとファーのストールもフェンディによるものだ。

すべてがミレーナ・カノネロとコラボレーションしたフェンディのデザインとなっており、舞台の一つである1920年代後半の雰囲気を見事に再現している。

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ちなみに、ウェス・アンダーソン監督が手掛けた著名作品には『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001年)があり、実はその映画内で長女(養女)役グウィネス・パルトローが着用したファーコートもフェンディ製。

 

『グランド・ブダペスト・ホテル』と『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』。ラグジュアリー極まるフェンディの衣裳に注目して、もう一度チェックしてみてはいかがだろう。

 

Text by Takafumi Hojoh

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