NEWS

竜星 涼 × 祐真朋樹がパリコレを語る!「モードな座談会」後編

mn1902-mode-1

スタイリスト祐真朋樹さんと、ファッションマニアとして知られる俳優・竜星 涼さんのスペシャルトーク企画「とびきりモードな緊急座談会」。メンズノンノ誌面ではダイジェストの掲載でしたがウェブでは“完全版”をどうぞ! >>前編はこちら

 

 

 

竜星 海外は映画やドラマがファッションに相当なお金や時間をかけている印象があります。『ボヘミアン・ラプソディ』は衣装合わせに50時間もかけたそうで、表現の手段として衣装がどれほど重要かを物語っていると思います。昔の作品でも、例えば『ティファニーで朝食を』の衣装はジバンシイだったり。日本もそういう映画を作ってもいいんじゃないかなと思うんです。
祐真 どんな服を着ていたらストーリーがおもしろくなるかということだよね。
竜星 目の保養というか、絵が美しいことも大事にしていいと思います。
祐真 ガンガン言って(笑)。

mn1902-mode-9

時代とともにショーの規模や内容も変化

竜星 時間があっておもしろいコレクションやショーがあればこれからも出ていきたいと思っています。
祐真 バンバン出ちゃえばいいじゃない。レディースのショーのほうがおもしろいから、そこにメンズを出しているブランドがいいかもね。
竜星 女性のほうが、ファッションはおもしろい気がします。デザインもそうだし色味もそう。
祐真 男には男のよさがあるんだけどね。竜星くん、シャネルとかいいんじゃない?
竜星 出たいです! 祐真さんがコレクションに通い続けている原動力は何ですか?
祐真 純粋に、自分が着たいと思うものを見に行っているだけです。道楽ですよね(笑)。本当にシンプルにそれだけでずっと見ている。この28年で、見に来る人の数は圧倒的に変わりました。10倍くらいになっているでしょうか。僕が行きはじめたころはまだメンズウィークはなかったし、日本人もいなかった。50〜60人くらいの小さなショー会場もたくさんありましたよ。当時、コレクションはあまり注目されていない儀式のようなものでした。レディースに比べてメンズは特にね。それが90年代の半ばからLVMHに代表されるようにファッション業界のコングロマリット化が進んで、2000年代に入るとイベントが大きくなってきた。集まる人がだんだん増えて、ブランド数も増えて、いろいろ変わっていった感じかな。
竜星 今ではショーをライブ中継で見られることも多くなりましたよね。
祐真 便利な時代になったよね。
竜星 海外の雑誌はハイブランドでもルックを崩して自由にコーディネートしていますが、日本だとそのあたりの自由度が低い気がします。
祐真 制約はあっても表現はいろいろと創意工夫できるわけですから、僕にとってそこは重要ではないですね。手がけたものが一つでも「え!?」って思われると嬉しいじゃないですか。今日の竜星くんの私服が「え、それフェンディだったの!?」ってなったのと同じで。
竜星 わかります! そのヒール何cm? これはエディ・スリマンのサンローランだから7cmだよ。やばいね! みたいな(笑)。
祐真 竜星くんがジャケットの中に着ているカルバン・クラインのタートルも、なかなかレアなんです。僕も3枚くらい持っていて、これを選んでいると「やるな!」と。言葉じゃなくて、わかる人にはわかるという。

レディースでもサイズが合えば取り入れる

竜星 僕も単純に自分の好きなもの、着たいものをネットや雑誌で見ているんですが、あまり興味のなかったブランドでも実物は「いい!」と思うことも多くて、実物を見にいくことも心がけています。2019年春夏では、ヴェトモンがすごくよかったです。ストライプのジャケットにタートルを合わせたレディースのルックがあり、ジャケットがボクシーでロング丈で僕でも着られそうなサイズ感で。絶対に欲しいと思いました。レディースもよく見ていて、今回のモスキーノのボディコンシャスなシルエットと絵画の世界から出てきたような表現の仕方がいいなと。シャネルには赤がアクセントになったかわいいニットがあって、サイズが合えば着たいと思いました。それこそマルジェラはレディースでもオーバーサイズならば着られるので買っています。バッグとか小物もチェックします。今日のバッグも、バルマンのレディース。ドリス ヴァン ノッテンは実際に着てみてすごいと思うことが多いブランドです。
祐真 着ると良さがわかるよね。見せるものというより着るものというスタンスですから。
竜星 現物とコレクションが全く違うように見えることもありますよね。ジバンシイのルックで黒に見えた服が実際にはグリーンだったり。ハイブランドのアイウエアは広告ビジュアルと現物に差があることがよくあって。きれいな水色が実際にはちょっと青っぽいだけとか。
祐真 ありのままを見せるわけじゃないですからね。デフォルメされていることも多い。

話題のデザイナーのコレクションに注目

竜星 今シーズンのメンズといえばエディ・スリマンのセリーヌがビッグニュース。意見はいろいろありますが僕は嫌いじゃないです。細すぎもせず、むしろサンローランのときよりもきれいな気がします。
祐真 着やすそうだよね。
竜星 エディらしさもきちんと残っていて、それをセリーヌとして着られるのは単純に嬉しい。
祐真 うんうん。僕もパリコレで見て、実物を触ってみたいと思った。ディオール時代のエディは素晴らしかったから、セリーヌでも期待したい。

mn1902-mode-7

CELINE/LOUIS VUITTON

竜星 ヴァージル・アブローのルイ・ヴィトンのファーストコレクションにはスーツやバッグなど欲しいものがたくさんありました。チェーン付きのバッグのシリーズはどのくらいカジュアルに持つことができるのか、気になります。ヴィトンでも目立っていましたが、今シーズンのメンズはイエロー系が多いですよね。
祐真 黄色はたしかに多い。僕もルイ・ヴィトンとキム・ジョーンズのディオールはパリでショーを見て、スーツやジャケットに食指が動いた。ヴィトンはカラフルなパーカを着てみたいし、ディオールはスーツをちゃんと見たいね。カラーバリエでいろいろ試してみたいと思っています。ショーはしていませんがロエベの春夏ビジュアルの表現もいいね。パーカとか、着てみないとわかりませんがいいなと思いました。ただ、僕の買い物はすべてが衝動買いだから(笑)、欲しいと思っていたものが入荷してお知らせをいただいても「買うかどうかはお約束できません」と。「欲しいって言ってたじゃないですか!」と言われても(笑)。
竜星 最近、仕事でアレキサンダー・マックイーンを着る機会があって、すごく形が美しくて感動しました。今季はビビッドカラーが気になるので、赤いスーツにトライしたいです。ヴィトンにも赤いスーツがあってそっちも気になりました。派手な色や柄が、けっこう好きなんです。

mn1902-mode-8

DIOR/Alexander McQueen

祐真 コンケープショルダーのマックイーンのスーツは似合うと思う。オーディションもトライすれば?
竜星 プラダのルックも好きです。体にフィットするシルエットが新鮮でした。ワイド系も好きですが、最近は体がきれいに見えるものに心が動いています。細身でもきつい感じは全然なくて、着やすいんです。
祐真 長身の竜星くんにはブルー系の色味、モックネックにフレアパンツが似合いそうだと思って。バッチリだったね。
竜星 フレアパンツももともと好きで。
祐真 好きこそものの上手なれですよ。タートルはエレガントだしね。首を隠すのは大事なことですよ。
竜星 僕は「きれい」「エレガント」が一番好きな言葉で、ファッションに求めるものかもしれないです。
祐真 僕は「創意工夫」かな。コレクションには自分が着たいものを見に行く、そこはこれからも変わらないですね。

mn1902-mode-10

2018年11月対談/メンズノンノ2019年2月号掲載
Photos:Akira Maeda[MAETTI CO] Hair&Make-up:TAKAI Masaki Yoshinaka[perle] Stylist:Tomoki Sukezane Text:Hisami Kotakemori

NEWS一覧へ戻る

SPECIAL

PR ARTICLE