現役メンバーがオーディションについて語ってきた当連載も、ついに最終回! 大トリを飾るのは2009年の加入以来、メンズノンノモデルを牽引し続けている栁 俊太郎だ。
──自分が応募した当時を振り返って、応募者にアドバイスできることは?
「今も僕はいろいろなオーディションを受けているけれど、実は、いつもどうしたらいいかわからないんですよ(笑)。一つだけ言えるとしたら、変に怯えず、個性を出すこと。僕がメンズノンノを受けたときには、既にハイブランドの広告で仕事をしているかっこいい人が応募者の中にいて。ああ、こういう人がモデルになるんだろうなと思いながら、自分はまっさらな姿を見せるしかないと臨みました。
面接では『服が似合いそうだね』と言ってもらえました。モデルをする上で大事なのは、結局は服が似合うかどうか。それはオーディションの場でプロに判断してもらうしかないから、構えずに素のままの自分を見てもらえばいい。カメラに向かうとき、“かっこよく写りたい”という意識だけは必要だと思うけれど」
──モデルに向いている人は、どんな人?
「これといってないかな。様々なタイプのモデルがいるからおもしろいんです。何をかっこいいと思うかは、人によって違う。でも、自分を貫いている人はスタイルに依らずかっこいい。自分なりの“美学”を持っている人が服を着て、カメラの前に立ったときの化学変化は感動的です。好きなもの、かっこいいと思うものを突き詰めている人が強いと思う」
──2016年の今、メンズノンノモデルになることとは?
「僕がメンズノンノモデルになったのは7年前。あらためて振り返ると、自分も、雑誌も、随分と変わりました。もちろん今も変化の途中なわけで、モデルとしてその変化に触れていられることが凄く貴重な経験。
この先、メンズノンノがどう変わっていっても、時代の先端を進んでいる雑誌ということだけは確かで、“メンズノンノモデル”になる人たちはその看板を背負うことになる。いまや、ファッションだけではないカルチャー全般も引っ張っていく存在だと思います」