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まだまだロングラン公開中!映画『イヴ・サンローラン』への事前知識と留意点/Yves Saint Laurent

(C) Copyright 2010 LES FILMS DU LENDEMAIN – LES FILMS DE PIERRE – FRANCE 3 CINÉMA

発表の場となるコレクション・ランウェイは、パリ・オートクチュール・コレクションとして、レディスのパリコレ、パリメンズとは別日程で開催されている。

クチュールの発表は、パリだけだ。

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そして、肝心要の、“イヴ・サンローラン”(Yves Saint-Laurent)なる人物をご存知だろうか。

惜しくも故人(1936年8月1日~2008年6月1日)。

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1957年、21歳の若さで、パリのクチュールメゾン「Christian Dior」創設者であるクリスチャン・ディオール氏の後継者に抜擢。

その後、1962年にディオール社を去った後は、芸術後援者の恋人の出資を後ろ盾として、自身のクチュール・ブランド「Yves Saint Laurent」(イヴ・サンローラン / YSL)を設立。

2002年に惜しまれつつ「YSL」を引退するまで「モードの帝王」として君臨し続けた、フランスの国宝的デザイナーだ。

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そして、もう1人、“ピエール・ベルジェ”(Pierre Bergé)なる人物をご存知だろうか。

肩書きは、元イヴ・サンローラン社長、現イヴ・サンローラン財団会長。

前述した、“サンローラン氏を支援した芸術後援者”なる男性、公私ともにサンローラン氏の生涯唯一のパートナーであり続けた男性が、そのベルジェ氏なのだ。

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僕たちにとって馴染みのある“メンズ既製服”は、元を辿れば、サンローラン氏とベルジェ氏の2人によって生み出されたといってもいいだろう。

1968年、それまで高級仕立て服かそれ以外か、であった洋服を、ファッションに憧れを抱くパリの若者たちの為に、クチュールよりも安価かつ大量生産可能なレベルの“既製服”として提供するショップをパリの左岸にオープン。

そうして誕生したブランドが、「Yves Saint Laurent Rive Gauche」(イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ)。

“Rive Gauche”の意味は、そのまま(セーヌ川の)“左岸”となる。

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かつてのエディ・スリマン氏や、現デザイナーであるステファノ・ピラーティ氏らが、サンローラン氏の意思を継いでパリでメンズ・コレクションを披露している、その源泉だ。

当時のニーズは、今の時代のファストファッション・ブームと被るかもしれない。

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この映画『イヴ・サンローラン』では、ファッションの時代を創り続け、走り続けてきた2人の関係を、貴重なアーカイブ映像とインタビューを絡めてドキュメンタリータッチに綴っている。

いわゆる、“パートナー”としての関係。

このあたりも、独特なので、事前に認識しておいた方が楽しめそう。

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なお、原題は、『L’amour Fou』(狂おしいほどの愛)。

ファッションであれ、人であれ、狂おしいほどの愛というものに生きることの辛さ、難しさ、はかなさ、そして美しさを教えてくれる。

映画『イヴ・サンローラン』
原題:『L’amour Fou』/脚本:ピエール・トレトン、エヴ・ギルー/監督:ピエール・トレトン/撮影:レオ・アンスタン/編集:ドミニク・オヴレー/助監督:エヴ・ギルー 録音:トマ・ブジュ/ミキサー:エマニュエル・クロゼ/音楽:コム・アギアル/プロダクション監督:オリヴィエ・ゲルボワ/ポストプロダクション監督:セドリック・エトゥアティ/製作:クリスティナ・ラルサン、ユーグ・シャルボノー、レ・フィルム・デュ・ランドマン、レ・フィルム・ド・ピエール/協力:フランス3シネマ/参加:カナルプリュス+フランステレビジョン/2010年/フランス/103分/協力:イヴ・サンローラン ボーテ/提供:ファントム・フィルム/アミューズソフトエンタテインメント/配給・宣伝:ファントム・フィルム/4月23日(土)TOHOシネマズ六本木ヒルズ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
公式サイト http://www.ysl-movie.com/
劇場案内 http://www.ysl-movie.com/theaters.html
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Text by Takafumi Hojoh

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