ルカ・グァダニーノ監督（1971年生まれ）はシチリア出身の若き実力派。

2009年の映画『ミラノ、愛に生きる』で、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞にノミネートされている。

「ジョルジオ・アルマーニの卓越した仕事は、私自身のテイストに影響を与えています。欲望とサスペンスが織りなすこの物語を通じて彼の服を“動かせた”ことは、私にとってとりわけ大きな意味をもつ体験となりました。」と、ルカ・グァダニーノ。

やはり、男との恋愛チェイスを繰り広げる、モデルのミルー・ヴァン・グローセン（Milou van Groesen）の七変化が恐ろしいほどに奇麗。

マトンヴァ独特の中世・ルネサンス洋式建築に手を触れつつ、乳白色の壁と柔和な「ジョルジオ アルマーニ」2012年春夏コレクションが、意外性のあるマリアージュを露にしている。

こちらは撮影のバックステージの模様。

室内のシーンは、ロンバルディアの合理主義建築の傑作の1つである、クレモナのヴァイオリン博物館で撮影された。

明るさと落ち着きを兼ね備えたルネサンス期イタリア絵画の色彩感を再現したというカメラワークは見事だ。

ちなみに、メンズはスーチング、カジュアルセットアップ、イブニングが1型ずつ。

登場するメンズモデルは、ディエゴ・フラゴソとヴィニシウス・サレス。

カッコよすぎて参考にならないかもしれないが、視線や佇まい、歩調も含め、街中でのラグジュアリーウエアの着こなしは必見だ。

「今日、ファッションは新しい言語に心を開く必要があります。映画は私が常に最も身近に感じてきた表現形態です。ルカ・グァダニーノとの仕事を通じて、私のコレクションが醸し出す雰囲気を1つのストーリーに変えるチャンスを私は得ることができました。それはまた、刺激的な体験でもありました。」と、ジョルジオ・アルマーニ。

Text by Takafuimi Hojoh