K男:鈴川は、メンズノンノモデルで唯一の現役高校生だよね。「ヒロイン失格」の舞台も高校。親近感があったんじゃない?
鈴川:実はあんまりなかったです。僕の高校の制服は学ランだし、桐谷美玲さんみたいなヒロインもいないし(笑)。修学旅行の自由時間にデート? なんで男子が女子をいじめるの? なんで部活動しないんだろう? とか思っちゃいました。
H條:制服の着くずし方がハンパなかったり、27歳の福田彩乃さんが高校生役だったり、竹内力さんが学食の厨房にいたり、衣ぷりっぷりのエビフライが学食メニューなのも、ね。
鈴川:僕の夏休みは塾の夏期講習でいっぱいいっぱいですし。恋愛なんて…。
K男:映画だから、これ(笑)。
H條:そもそも論を話してもいいかしら?
K男:もうですか?
H條:桐谷美玲さん演じる松崎はとりは、“失格”なヒロインで、けなげな三枚目の魅力がある子。劇中でもクラスのいろんなキャラと絡むじゃない? もし俺が同じクラスにいたら、アクション&リアクションを起こせるかも… とか思ってしまうわけよ。
K男:思わないけど。それで?
H條:“幸田学園”の男子生徒たちも、俺と同じ気持ちだと思うの。はとりが本当のヒロインになっちゃうと、「あのとき、一瞬でもいけるかもと思ってしまった俺はぁぁぁ(嗚咽)」っていう被害者が続出かと。恐ろしい物語だよ。
K男:桐谷さんの演技力のたまものだね。身近な存在と勘違いして、かりそめの幸せをゲットした男も数多くいるだろうと。
H條:発表会での監督のように、幸田学園のブレザーを着てスクリーンの中にダイブ&ジョインしたくなりました。
K男:鈴川の印象に残ったシーンは?
鈴川:最初のところです。登場人物のプロフィール紹介が、テレビっぽい演出でおもしろかった。
K男:え、そこなの!? たしかにオープニングも含め、随所に特撮モノっぽい演出があった。
H條:SNSを使うシーンで削除していく文字をモノローグとして画面に映したり、さすが、広告業界からキャリアをスタートした監督ならではの演出だなと。
K男:H條さん、あの監督のことが好きだよね。
H條:撮影現場を取材したとき、優しかったんだもん。