鈴川:でもやっぱり、弘光廣祐役の坂口健太郎さんに注目しちゃいました。坂口さんみたいな高校の先輩がいたら、絶対に友達になりたいです。
K男:身内である編集部員としては一瞬たりとも気が抜けないというか、次は何をしゃべるんだろう… とか、冷静でいられなかったね。
H條:けっこうヤバイ奴だよね、映画の中では。友達がいなさそうだし、直接ケンカはしないけど不良相手に巧妙に立ち回ったり。将来はナンバー1ホストになりそう。映画の中では。
K男:個人的には、「知ってる? そういうの、偽善者って言うんだよ」のセリフにグッときた。坂口になら言われてもいい。
鈴川:偽善者ですか…。“壁ドン”はどうですか?
K男:それはされたくない(笑)。
H條:そういえば編集長が、「一瞬、素に戻る坂口を発見した」と言ってた。どこだろう。
K男:偽善者といえば、我妻三輪子さんが演じる安達未帆。クラスのカーストでは最下層だけど、「松崎さんは今まで通り、寺坂くんの近くにいてあげてね」などと利太の彼女という高みから余裕でのたまう、したたかさ!
H條:デスノートを持ってそうだよね。
鈴川:女子の裏の顔というものを、映画で初めて知ってしまいました。
H條:ヒロインもののドラマツルギーを逆手に取った作品といえど、基本は安心できるストーリー。安達未帆だけが異彩を放つというか、彼女の存在によって深みのある人間ドラマになっていたと思う。
K男:一方の山﨑賢人さん演じる寺坂利太は、「はとり! 俺には何もない! 何もないけど俺でいいのか?」ってカミングアウトするからね。はとりよ、何もなくてもイケメンならそれでいいのか。
鈴川:僕のほうを見ないでください(笑)。
K男:そして、安達未帆の闇に気付いた人物が、弘光廣祐。「ふ~ん、そういうことね」って、またまたおいしいセリフを坂口健太郎が(笑)。
H條:根っこでは、安達と弘光は似た者同士なのではないかという。映画だけの感想で言ったら、10年後にはくっついてるんじゃないかとすら。
鈴川:なんでそんなに安達さんネタで盛り上がるんですか?
H條:嫌いじゃないんだよね。安達にはジャーナリストになりたい夢があって、 野望がある人間は強いんだ、というメッセージを受け取ったよ。
K男:僕も安達未帆は好き。でも、弘光の家庭教師だった元恋人・恵美さんを演じた高橋メアリージュンさんはもっと好き。
鈴川:大人になると、いろんなことがあるんですね。僕ら高校生にもいろいろありますけど。
H條:鈴川は『ヒロイン失格』の原作マンガも読んでみたらいいよ。安達さんのその後が描かれていて…(ゴニョゴニョ)
鈴川:え、えええ!?
K男:これぞ、原作がある映画作品の醍醐味ですな。
H條:ところでこのニット帽、知ってる?
K男&鈴川:こ、これは!