ライダースって何で候?
「ライダースジャケット」は文字通り、バイク乗りのためのアウターとして作られたレザージャケット。バイクレースが盛んになった1920年代のアメリカで生まれ、40〜50年代には現在のダブル型のベースが完成した。
若者のファッションに取り入れられるようになったのは50年代。1953年のマーロン・ブランド主演映画『乱暴者(原題The Wild One)』が公開されると、不良の間でバイクやライダースが大流行。イギリスにも飛び火して“ロッカーズ”が生まれた。
60年代には様々なカルチャーと結びき、ライダースはファッション化していく。70年代はロックミュージシャンがこぞって着用、多くのパンクロッカーが愛用したことからライダース=パンクのイメージが強くなる。80年代はマイケル・ジャクソンがビデオクリップで着用して人気を支えた。
90年代になり“渋カジ”が日本に登場すると、バイカースタイルが台頭。「バンソン」のシングルライダースが大ヒットし、「ショット」のワンスターも人気を集めた。90年代後半は英国の老舗「ルイスレザーズ」のカラーライダースが脚光を浴び、2001年には「コム デ ギャルソン・ジュンヤワタナベ」とのコラボレーションが大成功を収める。
その後、ライダースは第一線から退くが、90年代ブームの到来により再び注目のアイテムに。2016年秋冬は「サンローラン」などのハイブランドからもライダースが登場して人気が再燃。ライダースジャケット姿の男女が街に急増している。
ライダース三大スタイルで候!
① ロッカーズ
60年代にイギリスでブレイクしたバイク乗りのスタイル。「ルイスレザーズ」が人気で、ロンドンのバイカークラブ「59クラブ」のワッペンやバッジでのカスタムが流行。
② パンクロッカー
70年代後半に発生したパンクロックミュージシャンのファッション。N.Y.のラモーンズ、ロンドンのセックス・ピストルズなどが代表格。安全ピンやスタッズ、チェーンを使ったカスタムが加速。
③ 渋カジバイカー
1991〜1992年に大量発生。「バンソン」のシングルライダースに古着のベルボトムジーンズ、エンジニアブーツ、「ゴローズ」のアクセサリーが定番。「バンソン狩り」まであった。
磯部流 ライダーススタイル
「これまでに流行したライダースのスタイルはバイカー寄りだったけれど、2017年はスポーツミックスが旬でござるよ! トラックパンツなんかを合わせるのが気分。アクセントの富士山ネックレスが、磯兵衛流のこだわりで候」
漫画:仲間りょう Text:Hisami Kotakemori