コレクションって何で候?
モデルに服を着せて観客に見せるファッションショーのこと。19世紀のパリでオートクチュール(高級仕立て服)の創始者と言われるシャルル=フレデリック・ウォルトが新作をモデルに着せて客に見せたのが原型とされる。
20世紀初頭、パリはモード(最新ファッション)の発信地としてアメリカを筆頭とする諸外国から顧客、バイヤー、ジャーナリストを引きつけた。1910年代からはメゾン(店・ブランド)が組織的に「春夏」「秋冬」と年2回のショーを行うようになり、いわゆる“パリ・コレクション”が始動。1930年代には定着するが、第二次大戦をきっかけにファッション界は大きく変化。1960年代にプレタポルテ(高級既製服)が急速に成長、1970年代にはコレクションの主流にもなると、ニューヨークやミラノでもプレタポルテのコレクションが盛んになる。(ちなみにロンドン・コレクションは1984年開始と後発)
東京コレクションは1985年にスタート。2005年からは“東京ファッション・ウィーク”として総合ファッションイベントに進化。近年はアジアでもファッション・ウィークが盛んになり、ソウル、上海、台湾などが東京を脅かす存在に成長している。
近年のコレクション招待客は、セレブを筆頭にインフルエンサーが急増。情報も雑誌やテレビに代わってネット上で拡散され、リアルタイムでショーを世界に発信するブランドも増えた。時代と共に変化しながら、パリが最高峰というステータスは今も根強い。
磯部流、コレクションスタイル!
磯兵衛「デムナ・ヴァザリアがデザイナーを務めるバレンシアガが、パリコレで真っ先に発表したモジュラーパンツで候! レザー、デニム、チノと三段階に切り離せるギミックに度肝を抜かれたでござる。波しぶきのアロハシャツと合わせて、拙者らしいリラックス感を演出」
中島「ミラノ・コレクションのマルニのシャツの着こなしは最高だったよね。ゆるいタイドアップとか片裾をペロンと出したりとか、磯兵衛みたいなちょっとだらしない感じが今キテるんだって」
花岡華男「勢いを感じるロンドン・コレクションから、マーティン ローズをピックアップ。ウエストが三段になったレイヤード風スカートに、オレの名前にちなんで肩に花をあしらったシャツを合わせて、ユニセックスムードを強調してみた」
磯兵衛のメンズノンノ連載は これにて完結! おしゃれになったね!
参考文献:『パリ・コレクション』(講談社)『オートクチュール』(白水社)